このコーナーでは、戦地での医療の状況をお伝えします。
長期の治療が必要な患者や重症患者は、野戦病院から後方に設置された兵站病院に搬送されました。
兵站病院には専門医が配置され、高度な治療が施されました。
海軍の場合は、海戦時は速やかに後送できないため、終了後に海軍病院のある港に寄港して、病院へ患者を収容し、治療しました。
この年表は、寄贈資料と聴き取りをもとに、5人の足どりをまとめたものです。
戦傷病者は、受傷部位や症状の程度、受傷地域や時期により、その後の足どりは様々でした。 

 ある兵士は、中国で受傷し、また病にかかり、症状が快復するたびに原隊復帰しました。
頭部受傷の兵士は、戦地での治療の後、内地へ搬送されました。
戦友からの便りが病状の詳細を伝えました。
また、ある兵士は、南京の病院にて摘出された弾を記念品として持ち帰りました。
南方で2度受傷した兵士は、療養中、戦地の病院で玉音放送を耳にした気持ちを証言に綴っています。

 インパール作戦の途上で車両事故に遭った兵士は、後年、遠い記憶を頼りに戦場スケッチを描きました。
このとき、重症患者の搬送に使われたのは、ゾウでした。

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2006年