今回ご紹介するのは、当館の所在地である九段下の写真2枚です。
 モノクロ写真は、昭和14(1939)年4月頃の撮影と考えられます。靖国通りを戦車が行進しているという戦時色の強いものです。4月29日の天長節に、代々木練兵場で実施された観兵式に参加するため、千葉県習志野の戦車学校からの移動の際の写真と思われます。
 沿道にはたくさんの人垣があり、靖国通りの坂の上には、靖國神社の大鳥居が見えます。
 この鳥居を起点に、当時の撮影ポイントを探して撮影したのが、もう1枚の写真です。
 戦中・戦後の76年の年月によって、町並みこそ変わっていますが、鳥居と靖国通りの位置関係をたどると、目白通りと交差する「九段下交差点」付近が撮影場所と判明しました。
 奇しくも、この撮影場所の小道の奥が「しょうけい館」になります。


昭和14(1939)年4月撮影の九段下交差点

同じ撮影場所からの平成27(2015)年現在の九段下交差点

 戦傷病者の労苦を伝える「しょうけい館」の近辺には「昭和館」はじめ、歴史や、季節の移り変わりを感じる、散策場所が幾つもあります。
 皆様のご来館をお待ちしております。

 
【小景(しょうけい)第35号】

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2015年