平成27年度は、前半に鹿児島・宮崎・栃木・大分の証言映像を収録しました。従来は県単位でまとまった人数を収録することができたものが、今年度からは隣接県を加えていかなければ、まとまった人数が収録できなくなっているのが現状です。収録するにあたり、事前にご本人の承諾を得たうえで地域(県単位)ごとに人数をまとめ、6名程度で実施していきます。
収録するには、聞取調査を実施して取りまとめたうえで収録を行ないます。人数の確定からご本人の承諾を得るまでに1か月、聞取調査の準備から実施、取りまとめまでに2か月かかり、収録には一人1日をかけて実施します。事前の準備や調査などを含めると、最低でも3か月かかります。


 鹿児島県では、前年に確認した時、収録候補者が13名もいましたので、2回に分けて収録できるほどの人数で予定していました。ところが、いざ収録の準備を開始して連絡をしてみると、たった数ヶ月のうちに死去・入院・養護施設への入所で辞退される方が続出、聞取調査に行く前には3名に激減し、急きょ宮崎県の方3名を含めて実施することとなりました。それでも聞取調査の段階で親族からの収録の辞退が相次ぎ、結果的に収録できたのが鹿児島県2名、宮崎県2名となってしまいました。


 隣接県を含めた広域収録は、前例がないだけに取り消しされた時点で順次、隣接県からの候補者を探さなければなりません。それだけでも四苦八苦です。結果的に、収録に間に合わなかったため、別の日程を用意して都内周辺で探すこととしました。実際連絡をとってみると、軒並み辞退(死亡・入院・入所)の連続で、都内どころか隣接県、関東圏へと拡大し、最終的に栃木県で2名の候補者を見つけてすぐに聞取調査を実施しました。それでも、収録までにこぎつけていながら、収録当日の辞退も出て栃木県は1名となりました。
大分県は6名の候補者が出た関係で安心していたのですが、これも直前の辞退があり5名に変更されながら、なんとか収録することができました。


 こうした、ぎりぎりの状態で収録しているのが実情です。しかし、戦後70年が過ぎ、戦争による悲惨さを自らの体験で話せるのは戦傷病者の方しかおりません。少しでも多くの方の収録を予定しておりますので、戦傷病者の方がご親族でいらっしゃる方、証言映像で記録を残されることにご協力下さるようお願いいたします。

ご連絡をお待ちしております。


連絡先 しょうけい館 学芸課 03-3234-7821

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2016年