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令和3年度春の企画展 残された言葉や声をたずねて

1. 戦地での思い Episode-3 Image

戦闘による負傷で右脚を切断

Cさんは、昭和20(1945)年、中国河北省の戦闘において敵の銃撃により右脚を受傷します。陸軍病院に到着し、ガス壊疽と破傷風の危険があるため、軍医から右脚の切断を告げられました。当時の心境が映像と手記に残されています。「大腿部を切断する、よいか。と軍医に言われた。瞬時の決断を迫られ、お願いしますと声が出た。」片脚となった自分の姿を見る家族の顔を思い浮かべ、決断に苦しみましたが、右脚の切断手術を受けました。


戦後、1年以上中国を放浪

その後終戦を迎えますが、ソ連軍の侵攻や中国の内戦により、病院内の重傷者だけが取り残されてしまいます。Cさんも片脚切断の重傷者であったため、1年3ヶ月もの間中国を放浪することとなり、飢えの苦しみなど想像を絶する体験をしました。


傷の痛みと晩年の思い

昭和21(1946)年に復員しますが、義足による歩行訓練や仕事探しという厳しい現実が待ち受けていました。戦後60年以上経っても傷の痛みに悩まされますが、苦労というものは一生ついて回るものであり、自身に与えられた人生であると語っています。


出展資料:摘出弾

出展資料:摘出弾

右大腿部を切断した直後、切断部から出てきた弾丸。茶色くくすんでいる部分は当時は血の色で真っ赤であった。