Close

令和3年度春の企画展 残された言葉や声をたずねて

1. 戦地での思い Episode-4 Image

行軍の休憩中に敵手榴弾により全身を負傷

Dさんは、昭和16(1941)年、中国河南省で行軍の休憩中に敵から投げられた手榴弾が破裂し、全身を負傷しました。当時の出来事を手記に綴っています。「転がってきた手榴弾を見て、ハッと思った瞬間、轟音と同時に天地が逆さになり暗闇に落ち込むような感覚に襲われた。」意識が戻った後、陸軍病院へ向かうトラックに乗せられますが、全身が傷だらけであったため、険しい道を通ると揺れが激しく、傷の痛みに必死で耐えていました。


負傷の状態と治療

搬送先の陸軍病院で国防婦人会の慰問を受けた際、自分の顔の傷を見て驚き立ち去る姿にショックを受けました。また、治療の際に、身体を押さえつけられながら処置をされたのが辛かったと語っています。


帰国後の生活

内地還送後、さまざまな病院で治療を受けたことで、顔の傷はほとんど治りましたが、左指に障害が残ってしまいました。昭和17(1942)年、出征前に就職していた電力会社に復職します。指の障害は仕事の妨げにならなかったため、定年まで勤めることができました。


出展資料:摘出弾、小冊子、腕時計

出展資料:摘出弾、小冊子、腕時計

体内から取り出した手榴弾の破片と受傷した際に身に着けていた時計、小冊子。時計の時刻は受傷した瞬間で停止している。 小冊子はところどころ破れており、被弾した痕がうかがえる。