夏の企画展「義肢に血が通うまで」は、好評のうちに終了致しました。これまでの企画展とは少々趣が異なり、補装具の歴史を追う形の展示方法とした結果、医療関係者や歴史好きの方たちも興味を持たれ、今までになかった方向から戦傷病者の労苦についてお考え頂けたようです。
 この企画展では体験型展示として、世界で初めて物をつかめる義手「乃木式義手」の機能再現レプリカを作成しました。
 乃木式義手のレプリカは1階に常設展示されていますが、説明だけでは何が画期的なのか、どのように使うのか分かりにくい点が有りました。そこで、実際に健常者が装着できる乃木式義手を作成したのです。既に企画展開催中に体験された方もおられると思いますが、機構は至ってシンプル。初めて装着しても、豆をつかむ、字を書くなど、その場ですぐに出来てしまいます。
 このまま倉庫行きでは勿体ないと、受付に常設することになりました。受付で「乃木式義手を試したい」と、お声を掛けて頂ければ、その場でご用意が出来ます。明治39年の作成以来、108年目に再現された幻の義手。どうぞ体験してみてください。
 ぜひ、ご感想もお寄せ下さい。

【小景(しょうけい)第8号】

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2014年