令和2年9月15日(火)から12月27日(日)まで、1階展示室において、ミニ展示「寄贈資料紹介シベリア珪肺けいはい」を開催しています。
 シベリア珪肺とは、戦後、ソ連に抑留され鉱山労働に従事した人がかかったもので、一般の珪肺症と区別して、「シベリア珪肺」と呼んでいます。
 今回ご紹介する資料は、山本泰夫さんのご家族から、当館へ寄贈頂いたものです。山本さんは1942年、陸軍に入営し満州で任務にあたっていましたが、終戦間際のソ連侵攻により捕虜となって抑留され、鉱山で削岩手としての労働を余儀なくされました。この鉱山労働が原因で、1965年頃に珪肺を発症しました。闘病生活の中で、シベリア珪肺の診断と治療、療養生活の難しさなどを経験しました。山本さんは、同じ抑留者仲間で珪肺にかかった人の力になりたいという強い思いから、鹿児島の縄田千郎博士とともにシベリア珪肺患者の新規発見、療養生活の助言や恩給請求のために奔走しました。1984年にはシベリア珪肺の患者団体を立ち上げ、全国的な活動を展開させていきました。
 展示資料は、シベリア珪肺患者から山本さんへ届いたお礼のお手紙、シベリア珪肺全国連絡協議会の会報、山本さんが使われていた酸素ボンベ、病床日誌(闘病日記)です。また、鉱山労働の削岩手を描いた絵画「坑内切羽」(複製/平和記念展示資料館所蔵)も展示しています。


展示風景

酸素ボンベ
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2020年