このたび、厚生省が戦争中に失明戦傷病者に支給していた戦傷失明杖を当館で初めて展示することになりました。この杖を所蔵していたのは銀座にある杖の老舗、株式会社タカゲン。煖エ輝雄社長によれば、煖エ商店(現:タカゲン)が傷兵保護院から依頼を受けて杖を製作していたが、その後、店は空襲で焼失。しかし一本だけ自宅に残されていたものを、今回の企画展の会期中、展示できることになりました。
これまで当館では、陸海軍省が支給した白杖を複数の方よりご寄贈頂きました。今回の杖は、それより前の、昭和13年から厚生省の傷兵保護院が支給していた戦傷失明杖(陸軍省は昭和14年、海軍省は昭和18年から支給)です。現存する杖として確認されている唯一のもので、大変貴重な杖です。この機会に、ぜひご覧ください。 |