大分県傷痍軍人会より資料をご寄贈頂きました。大分県傷痍軍人会は昭和27年10月、日本傷痍軍人会と相前後して結成され、61年間活動を行ってきましたが、日本傷痍軍人会の解散に伴い、平成25年11月に解散しました。

 この度、ご寄贈頂いた資料の中より先駆けて皆様にご紹介するのは、「全国傷恩武道連盟 全国大会資料」です。戦傷病者の方々の中には、傷痍の身でありながらも逞しく心身を鍛え、剣道、柔道、銃剣道などに取り組まれる方々もいらっしゃいました。この全国傷恩武道連盟は、武道により心身を鍛錬するとともに青少年の指導育成を目的として、昭和55年に全国の傷痍軍人会員などの有志により結成された団体です。全国大会では会員による試合だけではなく、子供たちの試合も行われていました。

 毎年各地の支部が持ち回りで大会を開催しており、第2回大会は千葉県、第3回大会は大分県で開かれています。昭和57年に開かれた第2回大会のパンフレットには、参加している選手が60~70歳を超えた戦傷病者であることなどが記載されています。当時の選手だった方は若い方でも、現在既に90代前半であり、参加されていた方を探し出して証言を得ることは難しく、また残っている資料も少ない為、現在では活動のすべてを知ることは出来ませんが、戦傷病者の方々がご自身の鍛錬と社会貢献の活動をされていたことが、この資料から判ります。

 このほかにも大分県傷痍軍人会より、会の活動に関する資料や戦傷病者の労苦を偲ぶ様々な資料を頂きました。公開に向けて整理と調査を進めて参ります。

 資料寄贈に関するお問い合わせはしょうけい館学芸課(03-3234-7821)まで。


(資料寄贈のお願い)



【小景(しょうけい)第26号】

 

 

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2015年